永遠の愛
いつも通りに授業を終え、作業を全部終わらせた私は寒い夜空の下、両腕を擦りながら正門を抜けた。
日付けが変わろうとする時間に帰宅するのは正直、キツイ。
暫く歩いて目の前に駅が見えた時だった。
少し離れたこの距離からでもわかる天野さんの存在。
天野さんは帰らないのか、この寒いのに駅のベンチに座りこんでた。
声を掛けていいのかも分らなかったけど、あまりにもその姿が切なさそうで、私はゆっくりと足を進めた。
「…天野さん?」
近づいて小さく呟く私に、俯いていた天野さんはゆっくりと顔を上げる。
そして気まずそうに視線を逸らす天野さんはさらに俯いた。
「帰らないの?」
「……」
「終電、なくなっちゃうよ?」
「……」
そう言ってみたものの口を開かない天野さんに思わずため息をつく。
どうしようか…と一瞬悩んだけど、深く考えるより手が動いてた。
「ちょっと、付き合ってよ!」
力強くそう言った私は天野さんの腕をグッと引く。
その瞬間、天野さんは勢いよく目を見開いた。