永遠の愛
「ちょ、ちょっとセンセー!!」


慌てる天野さんの言葉を無視して、私は腕を掴んだままスタスタと足を進めて行く。

そして駅から少し歩いた所にある一軒の居酒屋に足を踏み入れた。

いらっしゃいませ。と声が飛び交う中、案内された席に座る。


「よし、とにかく食べよう」


メニューを取り出してそう言った私に天野さんは不思議そうに首を傾げた。


「食べようって…」

「気分転換だよ」

「気分転換?」

「そう」

「センセーなんかあった?」

「何かあったのはそっちでしょ?」


チラっと天野さんを見てからもう一度視線をメニューに戻す。


「別に何もないよ」

「ふーん…だったらいいけどさ」


一通りメニューを見た私はとりあえずビールと適当に料理を注文する。

そして先にきたビールをゴクゴクと私は飲み干した。

普段から飲まないお酒が今日はすんなりと喉を通り越していく。


二日酔いになる事なんて忘れて、私はビールを口に含んだ。


「ねぇ、やっぱセンセー何かあったでしょ?」


何か不思議に思ったのか天野さんは少し首を傾げながら私を見る。


「何で?」

「なんかいつもと違うから」

「それを言うなら天野さんでしょ?」

「私は…」


そこで口を閉じた天野さんは軽く息を吐き捨て視線を落とした。
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