永遠の愛
「まぁ…いいや。とりあえず食べなよ」
運ばれてきた料理を少しだけ天野さんの方に押し、チラっと視線を向ける。
だけど天野さんは箸を持とうともせず、ジッとテーブルの上にある料理を見つめてた。
そんな天野さんに声を掛ける事なく、私は焼き鳥に手を伸ばす。
こうやってみればホントにただのやけ食いにしか思えない。
けど、一人でいるより何となく誰かが居てくれるほうが今の私には有り難かった。
天野さんが落ち込む姿だって私には分る。
言いたくない事だって、凄く分る。
だって昔の私を見てるようだから。
無言が続く中、私は一人で料理を頬張ってビールを流し込む。
別にお酒が強いわけでもなく、ただの投げやり気分。
弱いくせに飲んで後の事は全く何も考えてない。
「…センセ?」
不意に聞こえた小さな声。
その小さな声に反応した私は箸を止め、視線を上げる。
「うん?どうしたの?」
「あの…」
「うん」
「今日、泊めてもらってもいいですか?」
「あー…って言うかそのつもりだったから」
「え?」
スッと上がった天野さんの顔。
少し驚いた表情で私を見つめる。
そんな天野さんに優しくフッと笑みを漏らした。