永遠の愛

「つか、恨まれはしねぇだろ」


クスクス笑う先輩は何も分かってない。

イケメン講師が教えるんだから、みんな嬉しくて仕方ないはずでしょ。


昔っから変わってないな、その明るいノリと明るい表情。


「いや、いいです」

「あー…これで美咲ちゃんに断られるの何回目だろーな」

「いやいや、何回もないですから」


そう言った私に笑みを漏らす先輩に釣られて私も微笑む。


「ま、それ見て考えれば。んで、何かあったら言って」

「はい、すみません――…」

「ねぇ、センセーってば!!分かんない所があんだけど教えてよ!」


不意に飛び込んだ声に視線を上げると、2階の窓から顔をだした一人の女の子の姿が目に飛び込む。


「はいよ」


ちょっと面倒くさそうに言った先輩は上を見上げてそう呟いた。


「じゃあ、またです…」


少し下がって頭を下げる私に、


「わざわざゴメンね」


田口先輩は申し訳なさそうにそう言って、クッと口角を上げた。


「いえ、助かります。ありがとうございます」

「じゃあ、頑張って」


コクンと頷いた私は先輩に背を向けて歩き出す。
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