永遠の愛
「お、おかえりっ、」
乱れた髪を整えながらキッチンに立つ。
「どした?」
「ごめんっ、ご飯今からなの」
「もしかして寝てた?」
柔らかく笑う翔にやはり全てを見破られてた。
「うん。いつの間にか…」
小さく呟く私は適当な物を作ろうかと思い、フライパンを取り出すと、
「別に作んなくていいぞ」
上着を脱いだ翔はソファーの背に掛けネクタイを解す。
「じゃあ何食べんの?」
「そんないらねぇし、カップ麺でいい」
「えー…ダメだよ。ちゃんと食べなきゃ」
「つか、それ美咲に言われたくねぇわ。昔は散々だったのによ」
「昔は昔。今は今でしょ、」
「はいはい。でも、今日はいらねぇよマジで」
「うーん…ごめん」
「別に。っつーか、なんかしてた?」
そう言った翔はテーブルに置いているパソコンに視線を向ける。
「うん。働く所をね、ネットで見てたの」
ソファーに近づいた私はさっき翔が置いた上着を手に取って、それをハンガーに掛ける。
「あぁ、それな」
そう呟いた翔はやっぱりどうでもいい様な呟きだった。