雨上がり
「…………ん……………りん…………………花鈴ちゃん!」


「あたしの話聞いてた?」


「えっ?
私のことは、興味本位で近づいただけなんでしょ?
遊んでただけだから、もうこれからは、話しかけないでほしいってことだよね?」


最後の方は本当に泣きそうになってた
もしかしたら涙声になってたかも…


「花鈴ちゃん…
ああ~、もうめんどくさいから″花鈴″って呼んでいい?ってか呼ぶね?
全然話聞いてないじゃん!
一生懸命喋ってたのに~」


「え、えっと…あの?る、瑠羽ちゃん?」


「ああ~、あたしは花鈴って言うんだから、花鈴は瑠羽ってよんで?」


「えっ、う、うん…
えっ…?何て言ってたの?」



「だからぁ~

最初は、興味本位で近づいたのかもしれない
けど、今はとってもとっても大切で、大好きなの!」



「えっ!?」


私の頬に温かいものが落ちた


自分が泣いてるって事に気づくのに時間がかかった

嬉しい時に出る涙は、温かいんだって知った

今まで流した悲しみ、苦しみ…
そんな、たくさんの気持ちがつまった涙は、冷たいんだって分かった


「ありがとう、瑠羽」


この言葉が言えることが幸せなことなんだって、気づかせてくれた


彼女は…
瑠羽は、私に色々なことを教えてくれた
大切な大切な友だち
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