嘘つきヴァンパイア様


そのような事をかんがえ、ひたすら渡り廊下を歩いていると、階段が見えた。


駆け足で近寄るとその階段は長く一階まで伸びていた。


それぞれの階にきちんと移動できるようになっていて、巨大ショッピングモールの吹き抜けのようなデザイン。


手すりは白く、紫色の宝石が埋め込められている真ん丸の小さなランプが一メートル間隔でそびえている。


「…凄い…」


手すりに手をそえ、ゆっくりと涼子は階段を降りた。


静かな屋敷に、涼子の足音がうるさいほど響く。

足音を立てて歩いているわけではないが、静かなここには異様に響いてしまう。



< 155 / 475 >

この作品をシェア

pagetop