嘘つきヴァンパイア様


「ギルドには、あまり近づくな。今日みたいに屋敷に来る事があるが、絶対に二人になるな。何をされるか分かったものじゃない」


「え?あの…呉羽、髪の色のこともそうだけど、もしかして、妬いてるの?」

「はっ!誰が妬くか!お前は俺じゃないと駄目だろ」


ごつんと彼女の頭を軽く叩く。


痛くはない、けれども痛みに似たくすぐったい感情が込み上げる。同時にいつものように、突然脳内に残像がよぎった。

「……あ」


『後ろから抱きしめるの、好きなの?』

『好きだよ。俺の物って感じがするから』

彼女の頭に浮かんだ残像は、今のように後ろから抱かれている映像。回されている手に手を添えていて、楽しそうであり、幸せそうだ。

(また…私の記憶……?)

浮かんだ疑問に、涼子は恐る恐る口を開く。

.
< 237 / 475 >

この作品をシェア

pagetop