嘘つきヴァンパイア様
「ギルドには、あまり近づくな。今日みたいに屋敷に来る事があるが、絶対に二人になるな。何をされるか分かったものじゃない」
「え?あの…呉羽、髪の色のこともそうだけど、もしかして、妬いてるの?」
「はっ!誰が妬くか!お前は俺じゃないと駄目だろ」
ごつんと彼女の頭を軽く叩く。
痛くはない、けれども痛みに似たくすぐったい感情が込み上げる。同時にいつものように、突然脳内に残像がよぎった。
「……あ」
『後ろから抱きしめるの、好きなの?』
『好きだよ。俺の物って感じがするから』
彼女の頭に浮かんだ残像は、今のように後ろから抱かれている映像。回されている手に手を添えていて、楽しそうであり、幸せそうだ。
(また…私の記憶……?)
浮かんだ疑問に、涼子は恐る恐る口を開く。
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