嘘つきヴァンパイア様



まるで雪のような白い肌。真っ黒い膝上のワンピースを身に纏い真っ赤な紅の付いた唇。

とても目立つ見た目だ。すれ違う人々はその異質な男女に好奇な自然を送っているもの二人は気にする素振りも見せる事なく言葉を交わした。



「みたか?あの女が未来を予知した所を」



「はい。この目でしかと」


「やっぱりな。花嫁を探して数年…やっとだ。何度、人間界に降り立った事だろうな」


「はい」


機械的と言うべきか、ただ「はい」と言う一言なのに心がこもってない声に男はため息をはく。
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