嘘つきヴァンパイア様


そんな真っ青な顔をする涼子に呉羽は苦笑いを浮かべ濡れた髪をかきあげながら言う。



「お前は、本当にやってくれるよ。いろいろと。めんどくさい女を嫁にしたもんだ」


「そんなこといわなくても……。ご、ごめんね?怪我とかしてない……って、あれ?」


その時、涼子は呉羽に違和感を覚えた。月明かりに照らされる呉羽は呉羽だ。だけど、いま、涼子の瞳にうつる呉羽は違う。


それは、髪の毛の色だ。黒い髪の毛ではなく、いまはマロン色。ギルド様と同じ。

「呉羽、その髪の毛」


「あ?髪の毛って……あぁ」


色を確認すると、少し面倒そうに続ける。


「いきなり突き飛ばされたから、油断して戻ったんだろ。いつもは気をはって黒にしてるからな」

「そう、なんだ……」


少しまえに、呉羽は本当は黒ではなくマロン色の髪の毛だと聞いた。


< 330 / 475 >

この作品をシェア

pagetop