嘘つきヴァンパイア様


城下での出来事から涼子の心情に変化がおきていた。


それは、冥界について、もっと学びたいという気持ち。

冥界の過去のことも現在のことも学び、呉羽の花嫁として頑張りたいと思ったのだ。



呉羽が皆を大事にしているように、涼子も彼らを大事にしたい。花嫁として来たことを喜び宴まで開いてくれた彼らを。



冥界については、少しレシィから習ったが、それ以降は勉強はしていない。


だから、人間と神様が離れて暮らすようになってからを学びたかったのだ。


本をパラパラとめくり、難しい冥界の文字に目を通す。


「読めるくなったか?文字」


「あ、うん。レシィのスパルタ教育のおかげだよ。まだ、読めないところもあるけど……ね」



「そうか」


頷き、手にもっていた書類を机におき、ペンを手から離すと美しいマロン色の髪の毛をすく。



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