嘘つきヴァンパイア様


ユノに言われたことは、当たっている。

呉羽は涼子を投獄した日から、彼女の話しをする度に思いつめた顔をする。

その自覚は、彼にもあったのだろう。



手元のペンをおき、呉羽は頭を抱えた。

「何を今更。今更。あとにはひけない。俺は罪を償わなければならない。そのために、ここまでやってきたんだ」


「そうですね。その決意はよく分かっています。ですが、呉羽様が苦しむようであれば、我々は…このままでもいいのですよ」

「綺麗事を言うな。もう、どうにもならないんだ!」

卓上にある紙とペンをなげ、そのまま怒りを含んだ顔でユノを睨みつける。

「ユノ。二度と同じことを口にするな。もし、口にしたら、お前もあいつと同じように投獄する」


「………」

そう言うと、荒々しく部屋を出て行ってしまった。

その背中を眺め小さく呟いた。

「困った主人ですね」




< 433 / 475 >

この作品をシェア

pagetop