嘘つきヴァンパイア様
「あの…涼子様…わたくしは…」
「レシィのせいじゃないよ…気にしないで…」
弱弱しく呟き、涼子はレシィを見る。人形のようだった顔を歪め微笑めば彼女は柵に近づきその檻に触れる。
「ごめんさない…レシィは何もできなくて…」
「そんな事ないよ…私のことを心配してくれるじゃない?それだけで…十分よ」
「涼子様…」
「じゅう…ぶん…だよ」
うつろだった涼子の眼がゆっくりと閉じていく。その何気ない仕草にレシィは涼子に手を伸ばした。
「…あ」
僅かに触れた手。その手はとても熱かった。
すぐに分かった。涼子の異変の原因に。普段から冷静なレシィらしくなく慌てて錠をあけ、涼子に近づきその身体
に触れれば、手以上に熱かった。
いつかこうなると思っていたのだろう。ぐっと唇を噛みしめると、突如として姿を現した人物を睨みつけた。
「ユノ様…?」
「レシィ、彼女を連れて来なさい」
思っていた人物ではなかったのだろう。睨んだ視線をもとに戻し、ユノを見上げたのだった。