嘘つきヴァンパイア様

そっと、閉じた目をあけた。するとそこは、先ほどとは違いオレンジ色の明かりが見えた。

(…あ…れ)

ぼやける視界で見えてきたのは、見た事のある天井。顔だけ動かし横を振り向けば大きな窓からは真黄色の月がよく見える。

そして、また反対に顔を向けるとそこにはどこか思い詰めた表情で涼子を見つめるレシィの姿。

「涼子さま!」


涼子を見つめ、近寄るとそっと彼女の手を握り締める。


「レ…シィ?」

(どうして…レシィが…それに…ここは、どこ?)


身体に感じる暖かい毛布に背中に感じるふかふかのベッド。ここは、牢獄ではない。涼子がずっといた部屋ではないが、御屋敷の一部屋だと理解が出来た。



なぜ、ここに…そう、考えているとその考えを理解したのか、レシィが言った。


「涼子様の身の事を考え…ここに連れて来ました。とても高熱が出て…今にも…消えてしまいそうでしたので…」


「……そ…う…なの」


握られた手とは反対の手で首元や額、顔に触れれば確かにとても熱い。汗が流れるように浮き出ていて、やはり身体は起き上がることも出来ないほど重い。


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