嘘つきヴァンパイア様
その日から丸一日、涼子は目を開けなかった。
あまりにも静かに眠っていて、部屋には彼女を起こさないようにとレシィが訪れることはなかった。
そんな日の翌夜、涼子は身体の熱さと痛みと苦しさに、ベッドの上で悶えていた。
(身体が熱い…とても、熱い)
右に左に身体の向きを変える。
それでも、息苦しくて、身体は熱い。
手足は痺れ、その苦しみを少しでも緩和しようと仰向けになるが、効果はない。
ならば、うつ伏せや、子供のように身体を丸めても少しも落ち着くことはなかった。
身体が熱い。身体が熱い。
(くるしいよ…くる、しいよ)
どうしようもなく、仰向けになり、涼子は片手で顔を隠す。
身体を蝕む痛みに、涙が枕を濡らした。
「苦しい…よ」
どうして、こんなにも苦しいのだろう。
泣かずになど、いられない。苦しさから解放されたい。だけど、そんなこと出来なくて、いっその事、消えてしまいたいと、思ってしまう。
幼き時も、家を出た時も、体調が悪ければ母親がきて、その背中を撫でてくれた。
だが、いま、この冥界に母親はいない。
苦しさでレシィを呼ぶ事も出来ない。
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