嘘つきヴァンパイア様


「誰か…」


助けて。虫の声よりも小さな声で呟くが、涼子の声は誰にも届かない。

(くるしいよ…くる…しい、よ)


溢れる涙を必死に拭い、涼子は窓側に横向きになる。

掛けていた布団を手繰り寄せ、身体でギュウと抱きしめる。


(熱いよ。身体の奥が熱くて…焼け爛れてしまいそう)


「はぁっ……ぐすっ…ううっ」


突如として、猛烈な吐き気に襲われその身体を仰向けに戻す。込み上げて来たものを下に無理やり戻し、落ち着かせるように胸元を握り、目を力強く瞑る。


「もう…い…や…」


握りしめた手で、胸を強く叩たき、そのまま頬を伝う涙を拭った時だった。


そっと、大きく少し冷たいけれど、何故か体温ではない暖かさを感じる手が涼子の額に触れた。

(え………)

そのまま、頬の涙を拭い、また、額に触れる。



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