嘘つきヴァンパイア様
なんで、なんで、こんな目に合うのだろう。なんで、こんなにも苦しいのだろう。
転落しうつ伏せのまま、吐き気が込み上げ、片手で口元を覆うと、吐息交じりに腕が伸びて来て、軽々と涼子の身体を抱き上げた。
「え……」
一瞬、何が何だかわからなかった。足が宙にうき、ふわっとした感覚と耳の鼓膜を震わす心臓の音と、暖かい体温。
とても、短に感じる大好きな香り。
「くれ…は」
涼子を抱き上げたのは、部屋を出て行こうとした呉羽だった。
涼子を抱き上げ、そのままベッドの上に胡座をかきその膝の上に抱き上げたままの体勢で座り込む。
伸ばした手で、布団を涼子にかければ、その荒々しい行動に涙が溢れる。
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