嘘つきヴァンパイア様

「こんな俺が、まだ好きだって…お前…馬鹿じゃねぇの」

「…うん…そうだと…思う、よ」

「……」

「だけど…呉羽は…あたた…かい。だから…好きなの…冷たいことをされても…こうして、くれる…なら…もう…どうでも…いい。やっぱり…あなたに出会えて…良かった」

「……っ」


その胸にさらに顔をうめる。どきどきと、呉羽の心音だけでなく、涼子自身の心音もよく聞こえた。

リズムよく聞こえる二人の心音。その音に耳を澄まし、暖かい温もりに包まれていれば、呉羽の手が涼子の頬に触れ、そのまま額にふれる。


「…ん…?」

「…かった、よ」

「…え?」

何かを囁かれた気がした。


けれども、うつろな涼子にその言葉は聞き取れない。首を小さく傾げ、そのまま見上げると、そのまま頭をなでられ抱きしめられる。


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