嘘つきヴァンパイア様

「くれ…は?」

「今日だけだ」

「……」

「こうしているから、眠れ。そして、起きたら薬を飲め。食べろ…いいな?」

「……」

甘い声だった。そして、その甘い声が涼子は大好きだった。

「う…ん…食べる」

「…あぁ」

「だから…起きるまで…離さないで…傍にいてね…やく、そく…だよ」

そっと、震える手を伸ばし、小指をだすと呉羽は迷わず小指をからめた。そのことがとても安心でき、目を閉じればすぐに深い眠りについた。



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