嘘つきヴァンパイア様
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「……」
涼子が眠り、どれくらいが経過しただろう。
すやすやと気持ちよさそうな寝息を響かせる部屋で、呉羽は彼女を抱いたまま美しく輝く月を眺めていた。
時折、「んー」とうなる声に反応し、涼子を見る。そして、そのまま眠っている事を確認するとまた月を眺めた。
冥界にはずっと月しかない。
よって、ここにまぶしいほどの光が差し込むことはない。それは、この冥界が出来た時からのこと。
罪をおった神が、太陽の光をあびることは許されていない。
それは、生まれた頃から呉羽も知っている。その事に対して、疑問は持たなかった。それは、今でも言えること。
だが、なぜだろう。今日、月をみていると、そのことがとても悲しく感じられた。
涼子がいるせいなのか、それは分からないが…呉羽の心はなぜか苦しかった。
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