嘘つきヴァンパイア様
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ドサッと、涼子の鞄が地面に落ち、力が抜け眠った彼女を器用にささえる呉羽。
ダランと、腕を揺らせる彼女をみて、彼はクスリと笑う。
「手間が、かかったな。ここまでくるの」
恋人だと、いい近付き、毎日の様に家に通い、中を深めた。
おかげで、ある程度、怪しまれずに仲良くなれたと呉羽は思っている。
振り替えれば、苦痛だた。人間が作った飯を食わされ、信じこませるために、キスまでしたのだから。
俺にしては、頑張ったな。と、思いながら、彼女を肩に担ぎ上げ公園を歩けば、広い池の前に、一人の女性がいた。
「よ…レシィ。わざわざ、ご苦労だな」
白い肌に黒のショートドレス、そして、無表情が特徴的な彼女。
夜にもかかわらず、傘をさし、主である呉羽を見つけるなり、小さく頭を下げる。
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