政略結婚 ~全ては彼の策略~

今日の悟が選んでくれた店も美味しかった。

今回はカジュアルなフレンチの店で、テーブル席。
しかも金曜日で客も賑やかだった事もあり、優香の緊張もすぐに解けていった。


悟は今日も運転のためノンアルコールビールを飲んでいる。
優香は気にせず飲んでいいから、とお酒を勧められたため、1杯だけと思い白ワインを飲んでいた。

お酒は強くはないが、弱くもない。
平均的に飲める優香は1杯くらいで酔うことはないとタカをくくっていたが、美味しい食事と緊張で、2杯目、3杯目と悟の勧めでワインを追加してしまった。

食事が終わってデザートを食べる頃には頭がぼんやりして気持ち良くなってきた優香は、悟ともいつもの調子で話せるくらいに打ち解けていた。


「優香、そろそろ帰ろうか。」

「はい。」

店を出ると、"おいで"とばかりに手を差し伸べられる。
優香がその手に自分の手を伸ばすと、スっと引っ張られるように握られた。

夜の道はまだ人通りがあるため、手を握って歩くのは少し照れる。
だがそれよりもお酒のせいで判断力の鈍くなった優香は嬉しさの方が強く、にこにことその嬉しさが溢れている。


車に乗ると、掠めるようにキスをされた。
「結婚の予定を立てたいから家で話そうか。」と言われ、優香は何の警戒心もなく頷く。

まだ一緒にいられる。
1週間ぶりの悟をもっと近くで見ていたかった。









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