政略結婚 ~全ては彼の策略~
悟の車が優香のマンションに向かっていたので、今日ももう少しだけ自分の部屋で過ごすのだと思っていた。
自分のマンションの前に着くと、悟から当たり前のように「泊まりの準備して来て。待ってるから。」と言われる。
優香がキョトンとしていると、
「先週はお邪魔したから、今週は俺の家でゆっくりしよう。」
と駄目押しされた。
悟の言葉に驚きながらも、誘いを断る理由は思い浮かばなかった優香は素直に頷く。
だが、今の状況に優香の頭は全く理解が追いついていなかった。
——泊まりの準備…
今日は悟さんの部屋に泊まる…?
朝までずっと一緒にいられるのは嬉しいけど…
悟も一緒にいたいと思ってくれているのだろうか?
それとも結婚までに少しでも親睦を深めておきたいだけ?
悟の考えが分からないまま、酔った頭で泊まりに必要なものを鞄に詰めていった。
忘れ物があっても1泊くらいなら困る事はないだろうと、思いつくものだけ詰め終えると優香は悟の待つエントランスへ戻る。
悟の住むマンションは本当に車で10分程度の距離だった。
優香の住んでるファミリー向けマンションに負けず劣らずの立派なマンションだった。
ここはファミリー向だけでなく単身用の部屋もあるようで悟はその1つに住んでいるという。
優香は社長の娘ではあるが、社員の給料までは知らない。
悟は異例の若さで出世コースを歩んでおり、独身ということもある。同年代に比べれば給料もあるのだろう。
優香にあのマンションは不釣り合いだったのとは違い、悟はとても馴染んでいる。
優香は圧倒されながらも、悟の部屋へお邪魔した。