政略結婚 ~全ては彼の策略~

悟が知っている彼女(お嬢様)達は自分がまるで世界の中心である事が当たり前のような振る舞いをする者ばかりだった。

悟をアクセサリーか何かだと勘違いしているのか、何度も勝手に始まった揉め事に巻き込まれる事もしょっちゅうで、彼女達にはあまり良い印象はない。


元々大企業の令嬢である母親は、全てにおいて人任せで、自分では何もしようとはしなかった。

それが当たり前の環境で生活してきており、結婚してからもその生活が継続出来る環境を手に入れたため仕方の無いことなのかもしれないが、悟は母親が苦手だ。

母親の手料理は幼い頃に数回食べた事があるが、本当に数える程しかない。
もうどんな味だったのかも覚えていない記憶だ。

悟の身の回りの世話もほとんど使用人に任されていたし、ある程度成長するまでは悟はそれが一般的なのだと思っていたほどだ。

母親との思い出と呼べるものもない。
母親はいつも自分主体で、美容やファッションにばかり興味があるようだった。
そして悟の事をたまに思い出したかのように近況を聞いてくるくらいだ。

それが"普通"ではない事を知った時、悟は母親に幻滅したのだ。

< 57 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop