政略結婚 ~全ては彼の策略~
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旅行の日、悟の車で出発した。
旅館のある温泉街までは高速道路を使っても車で片道2時間半程。
新幹線の方が早くて悟も楽なのではないかと優香は心配したが、悟には何故か却下されてしまっていた。
多分運転が好きなのだろうと思い優香もそれ以上は言わなかった。
長期連休のため、途中何度か渋滞に巻き込まれながらも休みを挟みながらゆっくりと車を走らせ無事に旅館に着き、優香はホッとしていた。
スムーズに車を走らせている時は普通の会話をしていたが、渋滞に巻き込まれると途端に悟の視線が色を帯びるのだ。
2人きりの空間で常に手を握られたまま。
車が止まると頭を撫でられ軽くキスまでされてしまう状況に優香は前や横の車に見られているのではないかと冷や冷やした。
「…悟さん、恥ずかしいので、外ではやめて欲しい…です。」
「……大丈夫。誰も見てないし、見たとしても気にしないだろ。」
「…そういう問題じゃ…なくて…ん、っ、」
何を言っても悟には響かないようで、全く取り合って貰えなかった…と優香は思い出しながら赤面し1人で悶絶していた。
正直なところ優香は嬉しかったので、本気で嫌がっていなかった自分も悪いのだと思っている。