政略結婚 ~全ては彼の策略~
車を降りて旅館の入り口へ向かうと、玄関で待ち構えていた中居に「神崎様、お待ちしておりました。」と迎えられる。
そこへ女将が現れ悟と優香に丁寧に挨拶をした後中居と交代すると、そのまま部屋まで案内された。
チェックインは…?
と思いながらも当たり前のように悟もそれに従っているので優香もそれに着いていく。
1階にはカフェのスペースと小さな庭園があり、そこを通って部屋のある建物まで向かう。
女将から今咲いている花々の説明を聞きながらエレベーターまで進んだ。
ゆったりとした雰囲気の旅館でとても落ち着いた空間だ。
この旅館は元々の部屋数が少なく、広々とした部屋に露天風呂が付いていると聞かされていたが旅館全体もとても素敵だった。
「…よく、こんな素敵な宿の予約が取れましたね。」
部屋に着いての第一声だった。
優香は驚いていた。
悟に誘われたのは、4月の中旬だ。
この宿は部屋数も少なく人気の旅館である事は一目瞭然だった。
普通であれば大人気のシーズンに予約するには間に合わないはずだ。
しかも部屋は大人数用なのかフローリングと座敷の2部屋あり、フローリングにはシングルにしては少し大きめのベッドが2つ、座敷にはローテーブルと座椅子が4つ。
話に聞く通り、全面ガラス張りになっている窓の向こう側は露天風呂になっており、外はとても綺麗な景色が広がっている。