政略結婚 ~全ては彼の策略~
「……あぁ、ちょっとツテがあってね。連休になると大抵はここに泊まりに来るから一部屋空けてもらってるんだ。」
「……そうなんですね。」
悟が言葉を濁した事に、優香はそれ以上聞いていいのか分からなくなった。
——連休になると泊まりに来ている…
1人で?
もしかして、いつもは別の誰かと泊まりに来ているのだろうか?
今回も、元々その予定だったのを優香と来る事に変更したのだとしたら…?
いつもは1人で来てるんですか?
お友達と?
それとも………
聞けば悟は答えてくれるだろうが、聞くのが怖かった。
どんな答えを聞いても、自分にとっては辛い気がしたのだ。
優香は今までの浮かれていた気持ちが萎んでいく。
これ以上考えるのは止めよう。
せっかく誘ってもらったのだ。
元々の予定は何にしろ優香を連れて来てくれたのだから、悟の心遣いを受け取りたい。
優香は何とか気持ちを切り替えて悟へお礼を伝えると、悟も嬉しそうに微笑んでくれた。
「夕食まで時間があるから少し外を歩こうか。」
悟と共に宿から出ると、温泉街へ向かうのだった。