政略結婚 ~全ては彼の策略~
散策を終えて旅館へ戻ると、まだ夕食まで時間があるためお互いに大浴場でゆっくりする事になった。
大浴場は内湯と外湯だけのシンプルな造りになっていてこじんまりとしていた。
元々部屋の数が少ないためか、旅館の中は人の多いシーズンにも関わらずがやがやしておらず落ち着いているのと同様に、大浴場も優香の他には友人同士と思われる2人の女性がいるだけだった。
優香はようやく悟と離れて1人の時間になり再びホッとひと息ついた。
思った以上にはしゃぎ過ぎてしまったようだ。
まだ夕方にもならない時間だが既に程よい疲労感がある。
夕食が楽しみだなと思いながらゆったりと温泉を楽しんでから上がり、女湯から出ると入口前にある休憩スペースで悟が待ってくれていた。
他にも数名そこで休んでいる人がいるが、悟だけ異様に浮いている。
他のお客と同じ浴衣に身を包んでいるが、1番大きいサイズであるはずの浴衣の丈が足りておらず足の長さが際立っていた。
悟は気にしていないのか、周りの視線など眼中に無い様子で雑誌をペラペラとめくっている。
優香より先に上がっていた先程の女性客もそこにおり、マッサージチェアに座りながらもチラチラと悟を見てはきゃっきゃっと黄色い声をあげひそひそと話していた。