黒水晶

間違いと迷い。

憎しみと慈しみ。

決別と絆。

正義と悪。

命がけで紡がれた歴史の上に今が成り立ち、今日も人々は、前に進んでゆく……。

遠い未来には、どんな歴史が刻まれるのだろうか。



「そんなわけないのに、あの子にはどことなくイサの面影があったわね」

和服の裾をなでつつ、リジェーノはマイの子孫が向かったオリオン街を見つめる。

彼女の発言に対する答えなのか、ただの本心なのか、アルフレドは一言。

「……私達だけは、一生マイのことを忘れない」

その場に居合わせたグレンとルークは、真摯(しんし)にうなずいたのだった。










  黒水晶·完



< 389 / 397 >

この作品をシェア

pagetop