毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
「儂はこれから、毎日するぞ。毬亜が妊娠するまで、な」

 信長が私の髪を撫でた。

「子ども……」

 妊娠できるのかな?

 絶対にできないっていうわけじゃないけど。できるっていう確証もない。

「儂は毬亜との子が欲しい。儂の子を産んでくれ」

 信長が私の額にキスをした。

「だから、これから毎日するからな。覚悟しておけ」

 信長が、私の唇にキスをするとぎゅっと抱きしめた。

 心臓の音が耳に入ってくる。

 ドクドクと鼓動の音を聞きながら、私は重たくなってきた瞼を閉じた。

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