毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
 確定…なのかな。私が過去に来てしまったのは、まぎれもない現実と認めてしまったほうがいいのかもしれない。

 でもどうして私が?

 わからない。どうして私なのか。理由がわからない。

「質問はそれだけか?」

 織田信長が、まっすぐに私を見つめてくる。

 私は首を横に振った。

「たぶん、聞きたいことは沢山あるんだと思います。でも今は何を聞いたら、私の胸の内にある霧が晴れるのかがわかりません」

「そうか。では儂から質問をする」

 織田信長が喉を鳴らした。

「お前が先ほどまで着ていた服は、お前がいた国では当たり前なのか?」

「え? あ、はい」

 私は頷いた。
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