毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
「儂はお前を守る。お前が、お前の国に戻るその日まで、儂はどんな敵からも守ってみせる」

 信長の真っすぐな瞳に、目を奪われる。

 すごく強い意思がひしひしと伝わってくる。

 こんな力強い目を見るなんて、初めてだ。

 私は今までに、吸いこまれそうなほどの目力を持った人と出逢った経験がない。

 これが初めてだ。さすが、天下統一を成し得る実力を持った人間っていうことなのかな?

 でも彼は、天下統一を目前にして……。

 歴史の教科書を思い出して、首を振った。

 やめよう。考えるのは。

「さあ、寝るがいい。儂が一晩ここにいてやる」

 胡坐をかいている信長が、私の優しく髪を撫でた。

「でも……」

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