毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
薄っぺらい白い布を身に纏って、剣道の防具みたいなのをつけているなんて。今どき、そんな人いないわ。
私は男たちがくる方向とは逆に足を動かす。
「とりあえずこの女を連れていけばいいんだよな?」
「ああ。義元様から、大量の褒美をいただけるって話だ」
「んじゃ、捕まえるとするか」
男たちが私を見て、にやりと笑った。
薄汚い格好の男たちだ。白い布かと思ったけれど、泥で裾は汚れているし、襟首は黒ずんでいる。
何日も洗濯せずに、ずっと着ているみたいだわ。
私は不安定な土の上を必死に走り始めた。
逃げなくちゃ。捕まっちゃいけない。
全身から危険信号が発せられている。
駄目。絶対に捕まってはいけない。
これじゃあ、走りにくい。
私は赤いヒールの靴を脱ぎ捨てると、ストッキングになった。
小枝が足の裏にささり、痛い。けれどヒールで走るより、全然早く走れる。
私は男たちがくる方向とは逆に足を動かす。
「とりあえずこの女を連れていけばいいんだよな?」
「ああ。義元様から、大量の褒美をいただけるって話だ」
「んじゃ、捕まえるとするか」
男たちが私を見て、にやりと笑った。
薄汚い格好の男たちだ。白い布かと思ったけれど、泥で裾は汚れているし、襟首は黒ずんでいる。
何日も洗濯せずに、ずっと着ているみたいだわ。
私は不安定な土の上を必死に走り始めた。
逃げなくちゃ。捕まっちゃいけない。
全身から危険信号が発せられている。
駄目。絶対に捕まってはいけない。
これじゃあ、走りにくい。
私は赤いヒールの靴を脱ぎ捨てると、ストッキングになった。
小枝が足の裏にささり、痛い。けれどヒールで走るより、全然早く走れる。