毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―

 それで信長は、尾張を統一する。そこから彼の天下統一の野望が生まれるのかな。

「他に質問はあるか?」

「いえ。今のところはありません」

「では、清州城へ戻るとしよう」

 信長が、私の肩を抱きしめた。

 四六時中、守る。その言葉通り、私は信長の腕の中で守られるのだろう。














「儂からも質問をしよう」と清州城へ向かう道のりで、信長が口を開いた。

 私は、信長の腕のなかにすっぽりとおさまっている。

 いつ、なんどき、襲われるかわからないからと、信長と一緒の馬に乗ることになった。

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