毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
「儂の気持ち、お前に伝わっただろうか?」

 信長の眉がぴくっとあがった。

 私は信長の目に吸いこまれるように、見つめ返した。

「伝わってないのか?」

「いえ。信長様の気持ちはわかりました。ただ…私は……」

 この国の人間じゃないし。自分の世界に戻ろうとしているわけで……。

 信長の気持ちはわかっても、それを受け取れないっていうか。

< 63 / 130 >

この作品をシェア

pagetop