毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
「信長様のやることに、文句なんてありません。信じてます。約束したことは必ず、守ってくださると思っています」
「なら、なぜお濃に術師の話をするんだ。それ以前に、なぜお濃をここに入れたんだ。儂は儂以外の人間は何人たりとも入れるなと門兵に命令してあるんだ。なぜそれは、覆すような真似をする。それこそ、儂を信じておらん証拠だ」
「そういうわけでは」
「じゃあ、どういうわけだ。儂はお前を守ると誓った。なのにお前は……」
信長の手が私から離れた。
『ちっ』と舌打ちをすると、私の前をうろうろと歩き始める。
「私、信長様にこれ以上ないくらいに守ってもらってます」
「なら、なぜお濃に術師の話をするんだ。それ以前に、なぜお濃をここに入れたんだ。儂は儂以外の人間は何人たりとも入れるなと門兵に命令してあるんだ。なぜそれは、覆すような真似をする。それこそ、儂を信じておらん証拠だ」
「そういうわけでは」
「じゃあ、どういうわけだ。儂はお前を守ると誓った。なのにお前は……」
信長の手が私から離れた。
『ちっ』と舌打ちをすると、私の前をうろうろと歩き始める。
「私、信長様にこれ以上ないくらいに守ってもらってます」