毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
「どこが、だ! お前は全然、儂に守られようとしてないじゃないかっ。信包から、いらん情報ばかり耳に入れ、挙句の果てにお濃までここに入れて……。儂がなんのために、清州城の敷地内に別邸を作ったと思っておる!」
ガシガシっと、信長が髪を掻きみだした。
「今川義元からの刺客から私を守るため、ですよね」
「今川だけじゃない。儂を敵視する人物は今川氏だけじゃない。お濃だってそうだ。あれは斉藤氏の間者だと、お前に説明したであろう! 儂の城にいるからって、安心などするなと説明したはずであろう? どうして儂の言葉を聞き入れない。なぜ自分勝手に行動するのだ」
信長が、柱に手をつけると「はあ」と深い息を吐きだした。
「私、充分すぎるくらい信長様に守ってもらっていると思ってます」
「何で儂ばかりが、こんな想いをしなきゃならんのだ」
ぼそっと信長が呟くと、柱にこつんと額をぶつけた。
「お前は何もわかっておらんのだ」と続けて信長が、力ない声を出した。
「私、信長様に感謝してます」
「感謝などいらん。儂が欲しいのはもっと別のものだ」
ガシガシっと、信長が髪を掻きみだした。
「今川義元からの刺客から私を守るため、ですよね」
「今川だけじゃない。儂を敵視する人物は今川氏だけじゃない。お濃だってそうだ。あれは斉藤氏の間者だと、お前に説明したであろう! 儂の城にいるからって、安心などするなと説明したはずであろう? どうして儂の言葉を聞き入れない。なぜ自分勝手に行動するのだ」
信長が、柱に手をつけると「はあ」と深い息を吐きだした。
「私、充分すぎるくらい信長様に守ってもらっていると思ってます」
「何で儂ばかりが、こんな想いをしなきゃならんのだ」
ぼそっと信長が呟くと、柱にこつんと額をぶつけた。
「お前は何もわかっておらんのだ」と続けて信長が、力ない声を出した。
「私、信長様に感謝してます」
「感謝などいらん。儂が欲しいのはもっと別のものだ」