幽霊が恋人。
ビックリした。



慎汰とは反対の真っ黒な髪の男の子…






急に告られてビックリしたけど…良い子なんだろうな。たぶん。










残された教室で、私はもう一度席に座った。













「告白されたの?」



急に慎汰の声がして私は振り向く。





「慎汰……。」




慎汰は無表情で立っている。


制服を着てるその姿は生きているようだった。






「で…でもちゃんと断ったよ?私には慎汰がい…」


『付き合えばよかったじゃん。』








…………え?



「な…なに言ってんの?冗談よしてよねー。」




しかし慎汰は表情を一つも変えない。



『冗談?こんなこと冗談で言っておもしろいかよ…。別に俺いなくてもいいじゃん。俺がいなくても琉衣は大丈夫じゃん。』


「慎汰………?」







慎汰ははっと我にかえると、何もなかったかのように笑い出した。


『いや、何でもないっ!今の忘れて。帰ろっか!』









慎汰……。





今の何だったの?





そう聞いちゃいけない気がして私は口を閉ざした。






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