幽霊が恋人。
その瞳は不安気に揺れている。






私はまだ知らなかった……。

















「慎汰……いつ急変するかわからないんだって。」





「……え………?」




「日ごとにどんどん心音が弱まってるって………どうしよう…琉衣ちゃん…もう…」










蝉の音が耳にこだまする……














「駄目かもしれない……」










たぶん知っていたんだ。



だから慎汰は…私のところに来たんだ。










奇跡なんて、信じなければよかった。







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