幽霊が恋人。
「ゆ、幽霊?…何言ってるの?」



『…………俺は、身体が動かないから琉衣の元に来たんだ。』






私は混乱する頭を抱えて、ぎゅっと目を瞑る。




「だって…っ幽霊なんているわけないじゃない…。本気で言ってるの!?」



慎汰は俯くと、また視線を私に向けた。






『俺、バイト帰りにバイク乗ってて…そしたらトラックが来て…それからは覚えてないんだ。でも…気付いたら自分が病院で寝てた。』





「……え……じゃあ…慎汰は…本当に……?」



『え?』



「慎汰…まだ生きてるの?目覚ますの…?」







『それは…わからないよ。』






慎汰は首を横に振る。




でも……








「本当に…慎汰だよね?」




『だからそう言ってるだろッ。』






私は口を手で覆うと、また泣き出す。



「よかったぁ……ッ。また会えて……このまま会えなかったらどうしようって…」




『琉衣…。』




慎汰は近付くと、私の頭を撫でる。






二人共微笑んで、もう一度喋り合った。






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