その猫、取り扱い注意




…考えたくない。


だからチアキとかいう幼馴染みのことが嫌いなんだ俺は。


メールを送っても返事が来ることはない。くそ。シカトかよ。


苛々しながら教室を転々と巡ると、俺の嫌いな奴が目を輝かせて飛びついてきた。



「イツキだ!」


「……げ」



なんで。なんでよりによってこいつに会っちゃうの。最悪。これもあいつのせい。



「久しぶり。会いたかったよ。なんてね!」


「あ、そう」


「冷たっ。あれ?ユミちゃんはいないの?」


「お前が気安く呼ぶなっつーの」




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