一億よりも、一秒よりも。
一体なんで急にこんなことを考え出したかというと、今自分の下にキョウがいるからだ。
快感と恐怖と喜びと悲しさをぐちゃぐちゃに混ぜたような顔をして。
 
まだ日の落ち切らない夕方。
自分の部屋に、彼女の声が充満したのは久しぶりだった。
 

何気なく出かけた海岸線ドライブ。週末はどこも人でいっぱいで、のんびりビートルズを聞きながら走っていたその帰り道。

彼女はふたりの関係を終わらせる決断をした。

 
ああ、やっぱりな。
真っ先に思ったのはそんなことだった。
のどかなビートルズが似合うようで似合わない。
 
いやそんなことはだいぶ前から考えていたのかもしれない。
そもそも彼女がこの関係をどう捉えていたのかすらわからなかった。
 
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