憎しみが、とけるまで
序章
駅の片隅に、大きめのバッグをもった、女がひとり、誰かを待っているようだった。

見慣れた癖のある姿勢で、数m先を歩いている男を見つけた。

冷たい表情で、向かってくる。

女は、逃げた。

裏切られた・・・女はそう思いながら、人混みの中を、走り出した。

女は、失意のまま、北へ向かった・・・あてもなく。
< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop