ハレゾラ
「翔平くん、手、離してくれる?」
「嫌だっ」
「でも、手を離してくれないと……脱げない……」
その時、彼の手がピクッと動いたのを、私は見逃さなかった。
そうか。私だけが緊張したりドキドキしてるんだとばかり思っていたけど、
違ったみたい。
なんか、嬉しい……。
心がポッと暖かくなった。
一瞬だけ手に力が入ったと思うと、ゆっくりと手が離れていく。
「ありがと……」
やっぱり年下だ。何も発せず俯いている彼を愛おしく思った。
しかし、服を脱ぎ終わると急にパッと顔を上げ、私の顔を覗き込み、ニヤッと
笑った。
「さて僕はあと、シャツとパンツを脱ぐだけ。咲さんが脱ぐの手伝ってあげる」
前言撤回! この小悪魔!!!
そして、あっという間に下着姿にされてしまった。
あ~良かった。一応、勝負下着をつけてきて……。
今日の私は、薄紫色の小花で飾られている上下お揃いの下着を着けていた。
こんな状況なのに何考えてるんだろう、私。
でもこれは、女にとって大事な事だ。