ハレゾラ

「恥ずかしいから見ないで……」


「なんで恥ずかしがるのかなぁ。咲さん、スタイルいいじゃん!」


いいじゃん! なんて、ちょっと口調変わっちゃってるし。
完全なるお世辞と分かっていても、ちょっと嬉しいんですけど。

……なんて、喜んでる場合じゃな~いっ!!!

両手で身体を隠すように立っていると、「しょうがないなぁ~」と言いながら
彼が近寄ってきた。


「はい、バスタオル。いきなりは可哀想だから、これ巻いていいよ」


おぉ~、小悪魔が天使に見える~。


「あ…ありがとう」


それを受け取ると後ろを向いて、ささっと自分に巻きつけた。
それから、バスタオルが落ちないようにしながら下着を外す。
もう一度きゅっと巻き直してから振り返ると……。

そこに一糸まとわぬ姿で彼が立っていた。
この年まで生きていれば(ソレ)を見たことが無いわけではないけれど、
さすがにいきなりでは声が出てしまった。
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