ハレゾラ
「分からないんだ。困った咲さんだね。これは“おしおき”が必要かな?」
あ、あれ? 聞き方間違えた?
何度考えても分からないが、もう一度彼を怒らせてしまった理由を考える。
じゃないと“おしおき”とやらが待っているらしい……。
「考えなくていいよ。家についたら、嫌ってくらい身体に教えてあげるから」
不敵な笑みを浮かべる。
「あの、身体じゃなくて、頭の中にお願いしたいんだけど」
「却下っ!」
ははっ、即答ですか……。
今までで一番タチが悪い。これじゃあ、小悪魔じゃなくて悪魔でしょ。
いつもの可愛い小悪魔はどこに行ってしまったの?
がっくりと肩を落として外を見れば、見慣れた街並みに変わっていた。
それが、彼の家が近いことを教えてくれた。
「明日も一日中家にいる予定だし、今俺んち何にもないから、コンビニ寄って
くわ」
「一日中……」
「帰るつもり?」
即座に顔をブルブルブルっと横に振った。
彼は満足そうに頷くと、そこから一番近いコンビニに入った。