ハレゾラ

「ここで待ってて。逃げないでよ」

「に、逃げない逃げない」


そう言いながら笑った私の顔は、同時に引き攣っていた。

いつもの彼と、今の彼。
どっちが本当の彼なんだろう……。
どちらにしよ、彼とはまだ話さないといけないこともある。
落ち着いて話が出来ればいいんだけどなぁ。
怒ってるけど、家に連れて帰るって言うことは……。大丈夫。嫌われてない。
こうなったら正面から受けてたとうじゃないのっ!!
その“おしおき”っていう、なんとも恐ろしい響きと小悪魔? 翔平。かかって
来いっ!!!
ガッツポーズを高らかに掲げて、意気込む私。

その様子を、コンビニの中から彼が楽しそうに見て笑っていることを、私は知ら
ない。 
   
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