ハレゾラ
「今日は離さないって……うちに泊まるの?」
「えっ? せっかく来たのに帰れって言うの?」
「い、いや……その……」
「大丈夫。一人で寂しかった咲さんを抱きしめて寝かせてもらうけど、心配
しないで。今日は何もしないから」
いつもの笑顔で見つめてくれる。
でも今……。
「今日は?」
じゃあ今度は? そんな事を考えてしまい、顔を赤くしてしまった。
「酔っ払ってる女性に何かしようなんて、そんな男じゃないつもり。そう言う
ことは、ちゃんとお互いの気持ちが一つになってから……でしょ?」
顔を覗きこんで茶目っ気たっぷりにそう言う、翔平くんの心遣いがとても
温かく嬉しかった。
本当のことを言えば、もう子供じゃないんだからHしちゃってもいいかな……
なんて思っていたんだけど。
だって私はもう、彼のことが好きだと気づいてしまったから……。