ハレゾラ
「さてとっ。じゃあ寝ますか」
そう言いながら私をお姫様抱っこすると、寝室のベットまで運んでくれた。
ううぅ……。意識があると、やっぱり恥ずかしい。本格的にダイエットしな
くっちゃ。
私を優しくベットに下ろすと、羽織っていた上着を脱いで隣にサッと入り込ん
できた。さっき言っていた通り、私をギュッと抱きしめてくれる。
うわぁ~ドキドキがハンパないんですけど。心臓の音、聞こえちゃってない!?
すっごく恥ずかしい。こんな状況で、私寝れるのかしら……。
「咲さん、また一人でなに考えてるの? まったく……」
彼はちょっと眉を顰め、はぁーと溜め息をついた。
「ほら、ここ触って」
そう言って、私の左手を自分の胸に押し当てた。
「分かる? 僕だってドキドキしてるんだから。これでも、いろんな理性と
戦って頑張ってるの。だから、これからいっぱい一緒に過ごして、いろんな
ことに慣れていこうね」