冬 gonna be 。
後悔
気がつくと朝になっていた

男は知らない間に眠っていた

会社に電話をして仕事を休み…

彼女のいなくなった部屋で独りきり…

いつも、何をする時も隣で笑ってくれてた彼女…

時に厳しく、ガキだった自分を叱ってくれた彼女…

この部屋に彼女の姿はもう無い…


更にその翌日…

男は狂ったように部屋を片づけ出す…

去年一緒に行ったクリスマスイルミの写真
幸せそうな二人の顔が当時を幾度となく蘇らせる

同じ絵柄の色違いの食器…

二人の予定が書かれたカレンダー

近所で買って二人で必死に担いで帰った大きめのソファー

机の上には男の薬指にある物と同じデザインのリングと部屋の合い鍵

部屋の全てが…
部屋にある一つ一つのモノが彼女との思い出に染まっていた


男は楽しかった思い出に・・・あの頃の彼女への想いに・・・
今の小さな自分が押しつぶされそうになり・・・壁にもたれ、しゃがみこんだ

目の前にはクリスマスに撮った写真・・・


その写真は少しタバコで黄ばんだ部屋の壁の色と少しズレていた…

男は手に取り裏を見ると最愛の人の字で…
『ありがとう』
と書かれていた…

男は立ちすくみ少し考え・・・携帯に電話を掛けた…

当然の事だが彼女は電話には出なかった…

いても立ってもいられない男はコートを手に取り12月の寒空の下
雪が舞う街に飛び出した…
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